■場は和まないし、親しみもわかない発言
「女性を前に失礼ですけれど~」
「女性の前で言うことではないかもしれないですが~」
ここ最近、打合せや雑談のなかで、このような言い方をする人が増えたように感じます。セクハラ、パワハラといったキーワードがニュースを賑わわせている影響なのかもしれませんが、ちょっと危ない発言には、予防線のひと言をということでしょうか。とはいえ、こうした言い方ができる人は、敢えて注意を促す人ではありません。
その一方で、今の時代、「こんなことを言ってしまう!」と、驚かされることがあります。
「何を?」って・・・・・・、“セクハラ発言”に、です。
プライベートの内輪のお酒の席ならば、笑って済ませられることを、人前で話すときにも同じ調子で話してしまう、そんな人もいます。場をなごませようとしているのか、親しみやすさを出そうとしているのかわかりませんが、一瞬の笑いがほしいために言ってしまうには、あまりにもリスキーだと思わずにはいられません。
企業における女性社長の比率は、2018年4月時点で7.8%。男女雇用機会均等法が施行されて約30年。全体として上昇傾向が続いているとはいえ、依然として女性社長の企業は 10 社に 1 社にも満たないのが現状です(帝国データバンク「女性社長比率2018」より)。
まだまだ経営者は男性中心ではありますが、10人に1人は女性経営者もいるということになります。さらに多様性が叫ばれている時代、LGBTへの配慮も必要です。自分の固定観念だけで話していては大問題。聞いている人の1人でも不快に感じるような発言は、可能なかぎり避けなければいけないーー今はそんな時代です。
■笑い話のつもりが思い切り引かれてしまう
先日も女性経営者数人で会食をしているとき、話題に出たのがある社長の話でした。少し笑いがほしいときや場をなごませたいときなのでしょうが、明らかにNGな単語が頻繁に出てくること。そして、それがパターン化していることへの嫌悪感でした。ご本人に悪気やセクハラ意識がまったくないのが、それもまた問題。
結局、最後には「あれはセクハラでしょう」と切り捨てられていましたが、ご本人の意識と聞いている側の感覚の違いがここまで大きいとは、ご本人はまったく想像していないでしょう。
距離を縮めようと、笑い話として話したはずが、それを聞いた女性が思いきり引いてしまう……。意図したこととは反対の結果となってしまうことは避けたいものです。
敢えて、該当する言い方や単語を出さなかったので、わかりにくい部分があるかもしれません。セクハラ、パワハラ発言は、必要以上に神経質になることはありませんが、これも重要なリスク管理と考えて注意していってください。
「100%、自分は大丈夫!」とは、誰もが言い切れないものですからーー。
この記事の執筆者
山川碧子(やまかわ みどり)
株式会社プライムイメージ代表/AICI国際イメージコンサルタント。2006年からビジネスパーソンの印象管理・印象マネジメント®を中心にサポートしています。著書『4分5秒で話は決まる~ビジネス成功のための印象戦略』。お仕事のご依頼はこちらからお願いします。