恥ずかしさとためらい!?1年前のグータッチ
「見ないつもりが、オリンピックをずっと見ているよ(笑)」
こんな友人の言葉が、今の多くの日本人の本音を代弁しているかのようです。
開催が危ぶまれていた東京2020オリンピックも、始まってみればアスリートたちの熱い戦いを目にして、応援したくなるのが自然な心理ですね。
ちょうど1年前の2020年7月末に、このコラムで「グータッチ」について書きました。
「グータッチはオフィシャルでもOK?その効果とは?」
https://www.primeimage.jp/blog/?p=1150
1年前の時点では、公式の場でグータッチをしてもいい?――
というちょっとグータッチをすることを迷いがちな状況でした。
1年後、このオリンピック開催時期になると、
「グータッチはコミュニケーション手段として浸透している」
と言い切れる数々のシーンを目にしました。
とくに目立っていたのが、体操男子の演技後。
他チームとの選手とも気軽にグータッチを交わす姿が何度もありました。
日本チームの団体決勝では、銀メダルを獲得。
メダルを競ったROC(ロシアオリンピック委員会)や中国のライバルチームの選手へも笑顔で歩み寄り、グータッチをする姿は、本当に清々しいものでした。
感染に配慮した失礼にはあたらないコミュニケーションに
今回のオリンピックの表彰式は、メダル授与もセルフサービス。
本来であれば、メダルを首にかけてもらうものですが、選手自らが並んだメダルを手に取り、自分で首にかける形式です。
その表彰式でも、数々のグータッチが登場していました。
アーチェリー団体の表彰式では、日本、韓国、台湾の9選手たちが写真撮影後、自分たちのスマホで9人の記念撮影。その後、お互いを称えてのグータッチが交わされていました。
スケートボード男子ストリートでは、初代金メダルに輝いた堀米選手。
その表彰式では、銀のブラジル、銅のアメリカの選手とともに表彰台に上がり、両隣の選手と笑顔でグータッチをしていました。
もともとグータッチは、男友達同士の気軽な挨拶のイメージでしたが、性別を問わず、コミュニケーションとしてのグータッチは広がっています。
卓球女子団体の試合を見ていると、日本の石川選手、平野選手、伊藤選手は、何度もグータッチをしており、お互い「がんばろう!」という労り、励ましのコミュニケーションのように見えました。
この1年でいろいろなことが様変わりしましたが、この「グータッチ」の意味合いも変化しました。
「グータッチは握手と同等の公式的に通用するコミュニケーション手段」
2020東京オリンピックを見て、そう確信しました。
目上の方が相手の場合、その方の反応は気にすべきですが、接触面が少なく、コロナ禍に配慮した「グータッチ」は、決して失礼にはあたらない、ということですね。