先が見えない時期だから、求めるのは「機嫌がいい」自分
「機嫌がいい」「機嫌が悪い」と、日常的にもよく使う言葉です。
人は誰でも機嫌が良い日もあれば、悪い日もあります。できれば誰もが「機嫌がいい」毎日を送りたいものですが、「機嫌がいい」状態を維持するのは、これがなかなかむずかしいものです。
コロナの影響もあり、先の見えない2020年は誰もが大変なとき。この時期に耳にすることが多くなったのも、この「機嫌がいい」「機嫌をよくする」という言葉です。
いろいろと悩みを抱えることも多いとき、私も友人やメンター的な方に相談することもあります。そのときに、立て続けて言われたのが、「いかに自分が機嫌よくいられるか」、それ重要だということでした。「自分の機嫌の良し悪しを自分でコントロールする」こと。「良し」が100%は無理だとしても、高い確率にすることは自分の工夫で十分に可能だというのです。
何の偶然なのか、いつも聞いているラジオでは、ベストセラー『女性の品格』の著者・坂東眞理子さんの言葉が紹介されていました。。人生の後半の生き方についての語呂合わせなのですが、「人生を明るくする『かきくけこ』」の「き」は、機嫌よく」。さらに、ある大人向け女性誌の今月の特集タイトルは、「機嫌よく暮らそう」だったりしています。
今、この「機嫌よく」というのは、何かのキーワードなのでしょうかーーー?
――と素朴な疑問を抱きつつ、なぜ、今の時期にこのキーワードなのか、を考えてみました。私個人的な結論は、いたってシンプルなもので、先行きが不安なこの時期、「機嫌よく毎日を送ることがむずかしい」と、誰もが感じているからなのではなのでしょうか。
「機嫌が良くない」のは周りにすぐにわかってします。
自分自身で考えてみても、四六時中、「機嫌がいい」状態でいられることはとてもむずかしい……。「気持ち」や「気分」は自分で感じることに対して、「機嫌」というの表情や言動に表れてしまうので周りに伝わってしまいます。
コンサルティングをするなかでも、事前に部下の方から「今日は機嫌がいいので~」、または「なんだか機嫌が悪そうで~」というように、自分から見た上司の様子を事前情報の一つとして伝えてくれることがよくあります。
言い方を変えると、「機嫌がいい」状態でないときは、周りにすぐわかってしまうということです。人の上に立つ立場であれば、本来ならいつも機嫌がいいことが望ましいですが……それはなかなかむずかしいことですね。
そうなると、いかに自分を「機嫌がいい」状態にするか? 外的要因や他人に流されることなく、自分なりの「機嫌がいい」状態でいられるための何かをもっていたいものです。
自分が機嫌よくいられるためにできることは何かーー?
私自身のことを例にあげると・・・・・・これら3つになります。
1)朝時間の使い方
一日の始まりの朝時間を有効に使う、ウォーキングやヨガで体を動かすことで、「機嫌のいい」一日のスタートがきれます。
2)集中タイムにノイズキャンセル
集中したいときに外的要因で気が散ってしまうとき、イヤホンのノイズキャンセルが大変役に立っています。
3)アポイントの前後の余裕時間
コロナ禍以降はリアルなアポは減りましたが、リアル、オンラインに関わらす1日3件以上は入れないで前後に余裕の時間をつくるようにしました。
さらにいうならば、自分が気分良くいられる環境整備、ハード面を充実させることが一番必要なのですが、これはそう簡単に解決できないのでつらいところです。まずはできることから、「機嫌がいい」を長続きさせたいものです。
こんなときに知ったのが世界的なベストセラーとなっている本『Joyful 感性を磨く本』(イングリッド・フェティル・リー著/櫻井裕子訳 ダイヤモンド社)。世界的なデザイン会社で活躍した著者が、神経科学と心理学とデザインの見地から、人が喜びを感じるデザインについて語ったまとめています。「機嫌がいい」を創る強い味方となってくれそうな1冊だという直感がはたらいて手にしました。