「20歳のときのあなたがいまのあなたを見たら、どう言うと思いますか?」――
これは世界的ベストセラー『ライフ・シフト~100年時代の人生戦略~』(リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット)の序文にある一文です。
いつもお客様には、ご自身をはじめ、人の印象・イメージを考えるときには、自分の思い込みでなく、他者からの目線で考えることが大事だとお伝えしています。それが普段、自分では気付かないこと、見えないことを知ることにつながります。
その自分に対する外からの視線に対し、この時間軸を変えた視線で自分自身を見るというのは、これまでと違った新たな視点です。今の自分は20歳の自分にとって、時空を超えた過去の夢の体現者かもしれないし、そうではないかもしれません。 さて、ご自身について考えてみましょう。
「20歳の自分が、今の自分を見たら、何て言うでしょうか?」
――今の仕事を知ったら?
「想像通り」「えっ、意外!」「がんばりましたねぇ~」「堅実ね」「結果、それ?」
――今の年収を聞いたら?
「すごい!」「それだけ!」「今と大して変わらないじゃない」「う~ん。。。」
――今の体型・外見を見たら?
「太ったね」「年を取ったなぁ」「大丈夫・・・?」「若いね」「どうにかすれば~」
いろいろと質問を想定してみると、連想ゲーム的で楽しめる部分もあります。その一方で、自分自身だからこそ、余計なお世話だと思いながら、辛辣な言葉も出てきます。考えてみると、その辛辣な言葉は、絶対、人からは言われたくないことでありながら、すでに自分では気付いていて、どうにかしなければ、と思っていることであったりします。
「え~こんなんになっちゃったの!」 「幻滅してしまう」 「それはないでしょう。。。」
誰もがこんなこと、20歳の自分とはいえ言われたくないですよね。よく「親が見たら~」「子供には見せられない~」という言い方はしますが、結局、一番重要視すべきは、他者から以上に、自分自身の視線や見方かもしれません。自分自身に誇れるか、否か、ではないでしょうか。
仕事の決断や岐路に立ったときの選択、普段の社員や取引先への態度や対応、お金の使い方や資産の管理、プライベートの家族との関係etc・・・20歳の自分からの問いかけに何と答えるか?
時代背景が変わり技術革新が目覚ましい現在。20歳の頃考えていた「良し」は、今の社会に通用するものではないかもしれません。しかし、その一方で、他者ではなく、時間軸を超えた自分自身への問いかけは、良くも悪くも重ねた経験と知識をそぎ落としてた“素”の自分への問いかけです。 大きな迷いがあったとき、この“素”の自分への問いかけは何にも代えがたい指針となりそうです。
「今のあなたは、20歳の自分に誇れますか? 仕事もプライベートも―――」
この記事の執筆者
山川碧子(やまかわ みどり)
株式会社プライムイメージ代表/AICI国際イメージコンサルタント。2006年からビジネスパーソンの印象管理・印象マネジメント®を中心にサポートしています。著書『4分5秒で話は決まる~ビジネス成功のための印象戦略』。お仕事のご依頼はこちらからお願いします。