歯がゆい立場を上手く表現したコメント
「代表取締役だと思ったら、中間管理職だったーー」
先が見えない不安な毎日を送るなか、新型コロナウィルス感染拡大に伴う緊急事態宣言に関して、小池都知事が発したこのコメント(4月10日)は、大変インパクトがありました。まさに見出しに最適なキャッチーなフレーズだったので、翌日の見出しは各紙・各メディアがこの言葉を見出しとして使っていました。
この裏には、国と東京都の主導権争いがあったことは報道を見ていて誰もが気づくことで、この方向性の良し悪しは、今後、はっきりしてくることだと思います。
上は国、下は都民(でよいのでしょうか?)に挟まれて、自分の思うリーダーシップが発揮できない状況であること。批判的な意見を言う方もいますが、昨今の新型コロナ騒動についての状況変化のなか、小池都知事の動きは相応に評価されるものではないかと、個人的には思います。
きっと、歯がゆさとイライラを感じながら、「天の声」と戦っているご自身の立場を、都民に伝えようとしているのでしょう。最後のほうでは苦笑いを交えながら。
会見時のコメントは以下の通りでした。
「それぞれの地域の特性があり、だからこそ都道府県知事に権限を与えられたのだと思う。ただ権限は代表取締役社長(知事)にあると思っていたら、天の声(国)がいろいろと聞こえまして、中間管理職になったような感じだ。やはりそれぞれ事情が違うので、まずは東京都としてなすべきことを知事としてやっていく」(2020年4月10日付 日本経済新聞電子版より)
「代表取締役」「中間管理職」というわかりやすいキーワードを使いながら、それをキャッチーな見出しになる言葉としているのは、小池さん、上手い!です。
かわいい!おしゃれ!、だから作ってみよう!と思わせる
現在、活躍している女性政治家のなかでも、小池都知事の服装センスは高い評価を得ています。女性の政治家というと、原色の派手なスーツ、もしくは地味なモノトーンのリクルート用のようなスーツと両極端な方が多いなか、女性らしさと上品な雰囲気を感じさせるセレクトで、とても上手なスーツ選びをされていると、私も常日頃から思っていました。
そして、今回の新型コロナ問題でみせてくれたのは、その「マスク」の使い方。
最近は会見でもつけている口元をすっぽり覆っている大きめのマスクは、ご近所の人にもらったという手作りマスクだということです。
当然ながら、会見で着用しているこの手作りマスクにも注目が集まり、パステルカラーの柄や小さなハートマーク柄などのマスク姿に、 「かわいい!」「おしゃれ!」「小池知事のマスクが欲しい!」というコメントが相次いでいるといいます。
この時のアイテムともいえるマスクが、手作りでこんなかわいくできてしまう、と大きくアピールできたことも大きなポイントです。
わかりやすい言葉で状況を伝えて、自分が使って見せる、小池都知事。
(決して中間管理職ではなく・・・・・・)、東京都のトップとしてこの難局を乗り切ってほしいと、一都民として心から祈るばかりです。