■センスの良し悪し、自信はありますか?
「結局は“センス”でしょうーー」
ある結果に対して、はっきりした理由づけができないことに、“センス”と言ってまとめられがち。人に関連づけられたものごとは、とくにその傾向を感じます。
普段何気ない会話のなかでも、「“センス”がいい」「“センス”が悪い」という言い方がよく出てきます。この「センス」という言葉は、服装やおしゃれの感覚の良し悪しを指すだけではなく、その人に関連づくすべてのことにつながっているともいえます。
ユーモアセンス、
バッティングセンス、
店を選ぶセンス、
そして、経営センス、に至るまでーーー。
とくに、経営者であるならば、人から言われる「経営センス」という言葉には、敏感に反応してしまうのではないでしょうか。
では、「センスが良い」と言われるためにはーー?
一般的にセンスの良し悪しというと、まず、服装センスを思い浮かべる人が多いようです。私のところには、印象マネジメントのコンサルティングをしている仕事柄、「どうしたらセンスが良くなるか?」という質問をされることも少なくありません。
その一方で、この「センス」は、生まれ持った限られた人だけのもの。普通の人が後天的に身に着くものでない、と思っている人も多いようです。そんな人は、うまくいかない理由づけとして、「自分はセンスがないから・・・」と言い切ることもありますが・・・・・・。
結論から言うと、センスの良し悪しは生まれ持ったものではありません。自分で良くないと思うのであれば、良くすることも可能。
その“センス”を良くするために必要なことはーー、それは、「知識」と「経験」です。
わかりやすい例として、服装センスについてみてみます。
ビジネスシーンでの服装は、好きな人は、ブランドやデザイン、色や素材など、細かいところにまでこだわりをみせます。その反対に、まったく気にしないという人も少なくなく、そういう人は、仕事用という最低ラインだけを守り、それ以上の気づかいは全くしなし、と言い切る人もいます。実際は、その最低ラインさえも・・・・・・危うい人もいるのですが。。。
■実感した経験が圧倒的に少ないのが原因
その違いが何かといえば、前述した「知識」と「経験」の差。
自分で「センスが悪い」という人は、TPOに合わせた配慮といった知識、自分で着て、似合う、似合わないを実感した経験が、圧倒的に少ないはずです。
センスを良くするためには、一番大事なことはその分野の知識と経験を多く重ねること。まずは、どんな場所に何を着て行けば良いか?季節やシーンによる違いといった基本的な知識を得て、「わかっている」という自信をもつことが大切です。
さらに自分の体型やタイプに合う色やかたちのものを実際に試してみること。自分で着てみて、その良し悪しを実感すること。その繰り返しの経験が、「センスが良い」ということにつながるのです。これもトライ&エラーの繰り返し、ドロ臭いことの積み重ねなのです。
実際に、お客様のなかにも、「服装には無頓着」と言われていた方が、トライ&エラーを繰り返したことで、今では「おしゃれ!」「センスいい!」とまで言われるようになった人もいます。
「センスが良い」と言われる人は、その分野の知識と経験を重ねた人。
ここでは、わかりやすく服装センスを例にしましたが、「〇〇センス」と言われる他のことに置き換えてもこれはあてはまりそうです。
「センスいい!」とは、言われてうれしくない人はいないはず。
さて、あなたが「ある!」と、自信をもって言えるのは、何のセンスでしょうかーー?
この記事の執筆者
山川碧子(やまかわ みどり)
株式会社プライムイメージ代表/AICI国際イメージコンサルタント。2006年からビジネスパーソンの印象管理・印象マネジメント®を中心にサポートしています。著書『4分5秒で話は決まる~ビジネス成功のための印象戦略』。お仕事のご依頼はこちらからお願いします。