“影響力がある人”って本当はこんな人!?

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「来て大丈夫?」に対するそれぞれの答え

 「次、東京に来るのはいつですか?」「当分、行かれそうにないね~」

と、こんなやりとりを何人の方ともしました。

 全国的に人の往来を控えた方が良いとされる時期ですが、仕事の関係上、東京との行き来を日常的にしている方も多くいます。またその一方で、東京との行き来を、良しとしないという地方の方からは、周りのネガティブな反応の話も耳に入ってきます。

 ある人は、「周りの人の目があって、今は家に戻れない」と、一時的に東京に住居をもちました。また、友人の女性経営者の地方では、東京へ行ったというだけで、評判がたってしまうとか。

 こんなこともあり、地方の方とお会いすると、思わず「東京に来て、大丈夫なんですか?」と聞いてしまいます。答えは人それぞれですが、東京にいると実感しにくい周りの反応を聞かせてくれることが多いかもしれません。

 そんななか、まったく逆に、「へぇ~、そんな反応も!」と驚いた答えがありました。

 お会いすると、いつも私のネタ元(!?)となってくれるこの方、今回もまた、ちょっと違った周りの反応に、私のほうが「ほほ~」と感心してしまいました。

 

ヘタなことはしない!というプレッシャー!?

 「自分では気にしているんだけど、周りが気にしてないみたいーー」。

 と言うのは、東京から1時間程度の地方の経営者の方。

 先日、1年半ぶりにお会いしたとき、相変わらず地方出張が多いという話を聞いて、周りの反応を聞いたときの答えです。

 今でも1週間のほぼ大半が地方出張で、自社にいるのはわずかという毎日。一応、自分では気を使って、自社ではほぼ部屋にこもって自己隔離をしていると言います。

 ところが……気にして当然の社員の方がまったく気にしている気配がないのだとか。 これには、今の時期にめずらしすぎて、こちらのほうが「???」となります。

 よくよく聞いてみるとーーー、このような社員の反応は、コロナ禍前からの日常を社員みんなが見て、よく知っているから、のようです。

 実はこの方、ある経済団体のトップも務めているので、“付き合い”が人並み外れて多い。コロナ禍前は会食も多く、人を惹きつける人柄で、人付き合いも良い、加えてお酒も強いーーという人です。

 ですが……周りの共通認識となっているのが「早く帰る人」。これで有名のようです。

 同席した人からは、「もう、帰るよね」と当たり前のように言われて、引き留められることもないとか。それが長年のこの方の生活スタイルとなっています。

 このあたりのことは、自社社員もよく知っているようで、「うちの社長は、ヘタなことはしない!」と、みんなが思っている様子。そういう前提があっての反応のようです。

 確かに社長としては、こう思われていると、ヘタなことはできないというプレッシャーも出てくるものです。

 東京へ行ったというだけで、周りから敬遠されるという話が聞く一方で、周りのほうが気にしていないという真逆の反応。

 もちろん、今は本当に気を付けていれば感染しない、とは絶対に言い切れないときです。だからこそ、神経質になるのは当たり前のことです。

 過度にネガティブな反応ばかりを聞いていたので、この真逆の反応には驚きつつ、感心しきりでした。

 有名企業だから、カリスマ社長だからという影響力の大きさとは違った意味で、この方みたいな人が、本当に“影響力が大きい”社長、なのではないかーーと、改めて一人思った話でした。

 

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