今まで良しとしていたことをやめる勇気
大変な状況のなか、2020年新年度が始まります。
こんな時期だからなのか、これまでずっとできなかったことが一つ、できるようになりました。 それは、「読み始めた本を途中でやめること」。
一度手にした本は、最後まで読むのが基本。「よくわからない」「おもしろくない」という思うことがあっても、これまでは最後まで読むことをを頑なに貫いてきました。
ところが、このコロナ騒動を機に、ベストセラー、話題の本であっても、「今の自分には必要でない」と思えば、途中で読むのをやめるーー。
まさに「やめる勇気」。ちょっと大げさに聞こえますが、本当にその心境です。
読んだことがない本は無数にあるのだから、おもしろくないと思ったら次の本を読めばいいーーと言う人もいます。でも、せっかく自分の手元に来たのだから、最後まで読みたい。興味ない内容でもいつかは役立つことがあるだろう……そんな思いからなのか、最後まで読み切ることを「よし」としていたし、それに迷いがありませんでした。
それなのに、この変化はなぜか?
“限られた時間”という概念が、自分事となった表れだと感じています。
方向転換、引き際の見極めをまちがえないこと
新年度は、さまざまなことを変化させていかなければ、事業継続ができなくなります。
人は経験したことがないことに対して、大きな不安を覚えるといいます。人類が経験したことのないウィルスに対する不安に怯えながら、終わりが見えない状況には誰もが怖さを感じています。
こうした状況のなか、「今までは~」「ずっとこうしてきたから」と継続することが良いとばかりに、方向転換すべきタイミングや引き際を見誤ることが最もキケンなことなのではないでしょうか。
小さく個人的な、「本を読むのを途中でやめる勇気」ですが、これからの仕事の変化の見極めにもつながる、自分にとっては大きな変化です。
それに加えて、3月最後の週末、東京での週末の外出の自粛。やりたいことができない、会いたい人に会えない、そんな場に身を置くと、平常時と違う思いが出てきます。
数日前、テレビのニュースに、日本を代表するオーケストラのトロンボーン奏者の男性が出ていました。3月始めからコンサートがキャンセルになり、仕事が全くなくなってしまったとのこと。
「私たちの仕事は不要不急なもの。いらないと言われているようで、悲しい・・・・・・」
と、さびしそうにつぶやく男性。
非常時にはなくてもいいもの、最低限の生活ができるもの、オーケストラの仕事も、そして、私のイメージコンサルタントという仕事もそうです。
なくてもいいけれど、あると心豊かになれる、そんな豊かさへの思いを大事にしたいーー。
コロナ騒動で閉塞感漂う年度末、切に願う思いを込めて。