■ITネイティブ世代とのギャップはある前提で
情報はクローズでなくオープン、撮影はNGでなくOK――。
情報のオープン化といわれて久しいですが、それがどんどん進んでいることを身近で感じます。週末も合羽橋道具街へキッチン用品を買い物に行ったところ、あえて「撮影OK」という貼り紙が貼られている店をいくつか見かけました。かつては「撮影禁止」「撮影はご遠慮ください」という文字が多かったものですが、今は店側が店内の撮影を積極的にすすめているのです。
これは明らかに、SNSでの投稿を意識してのこと。撮影された画像の役割と効果の大きさを店側が十分理解したことによる変化なのでしょう。今の時代、企業単位でのSNSの活用は、大事な戦略の一つとなっています。そう実感されている経営者の方も多いと思いますが、その反対に苦手意識が強い方も少なくありません。
2018年11月現在、日本国内でのユーザー(アクティブユーザー)数は、Facebookが2800万人、Twitterが4500万人、Lineが7600万人、Instagramが2900万人となっていて、その数は相変わらず上昇しています(出典:gaiax-socialmedeialab.jp)。
生まれたときからITが身近にあったITネイティブと呼ばれる若年層と、40代、50代の方との間には意識やスキルの差があることは否めません。一番いいのは、まずは自分で「やってみよう!」と行動することですが、実際はそこまでいかなくても、経営者としてこのSNSといかに積極的に向き合うかは意識しなければいけません。
企業としてのSNSの活用であれば、担当部署、担当者を決めることで実質的なフォローはできます。とはいえ、「担当者を一人つけたので大丈夫」と安心しすぎるのもキケンです。実際に作業をするという技術的なことは、担当者に託すとしても、そのSNSをどう活用していくか?という骨子は作らなければいけません。最終的な目的は「売上げを上げること」ではありますが、そこに至るまでの社長自身が求めていることについては、しっかりと言葉で伝えなければいけません。
■トップがこう「○○だから」と公言するのはNG!
さらに確認しておきたいのは、企業でなく、社長個人として考えると、どのようなスタンスでいるか?です。企業単位で積極的に活用している経営者の方にお話しを聞くと、SNSの活用で社員との距離がグッと縮まるという声もあり、そのメリットは大きいようです。
実際は担当者がやっているとしても、活用している企業のトップが「自分は苦手だからーーー」と公言してしまうことはNG。このような言動は絶対に避けるべきです。
当然ながら、実作業は経営者や経営層がやる仕事ではありませんので、担当者に任せているのは当然でしょう。ですが、SNSの発信を積極的にやっている企業、やろうとしている企業であれば、そのトップが「得意でない」「よくわからない」という言動は、絶対にNGです。さらに付け加えるならば、得意でないのにも関わらず、知ったかぶりをする言動は、もっとNGです。
実際のところ、まだまだよくわからないのが正直なところだとしても、「担当者と相談しながら進めている」「専門家からのアドバイスをもらいながらやっている」「日々、バージョンアップの連続」など、SNSもその主導権は自分にあるということを言わずとも感じさせる必要があります。
しつこいようですが、「得意でない」「よくわからない」と言ってしまう人は、自社の仕事をトップ自身がわからないと公言しているようで、決して褒められたことではないのです。
経営者としてのSNSの積極的な活用について、ご自身の言動は大丈夫ですか?
この記事の執筆者
山川碧子(やまかわ みどり)
株式会社プライムイメージ代表/AICI国際イメージコンサルタント。2006年からビジネスパーソンの印象管理・印象マネジメント®を中心にサポートしています。著書『4分5秒で話は決まる~ビジネス成功のための印象戦略』。お仕事のご依頼はこちらからお願いします。