その日は突然やって来る、チャンスをがっちりつかむ準備とは?

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blog ひと言 No.10


■特別な人の話ではない、誰のところにもやってくるもの

「山川さん、新聞の取材を受けることになりました。一面だから、さすがに・・・・・・」

 
 電話口で困ったように、だけど、ちょっと誇らしげに話すのは、W社長。 これまでの経験と実績、高い専門性と分析力スキルで、 派手に表には出ていませんが、知る人ぞ知る独自の事業を展開する方です。
 
 
 マスコミ関係の方とも相当お付き合いのあるW社長でさえ、 ご自身が取材を受けるというと、このように緊張してしまうわけです。 普段はまったく違う業界で仕事をされている方々は、 「取材」といっただけで、相当に構えてしまうことでしょう。
 
 こんな話をすると、「それは特別な人の話で、うちなんて〜」と、
まるで他人事で自分は関係ない、という反応をする社長もいます。 「大手じゃないから」「宣伝費をかけてないから」etc・・・・・・。
 
 ですが、商品やサービスを提供しているならば、 当然、何かしらの販売促進活動をしているわけで、それならば、いつ、なんどき、このような話しが来てもおかしくないのです。
 
 私は過去に雑誌編集者をしていたので、取材をする側にいました。 その経験からも言えるのは、探しているタイミングやテーマに合ってさえいれば、 誰のところにでも取材はやってくるものなのです。
 
 先のW社長のきっかけも、よくよく聞いてみると、担当記者が同じ出身高校だったことから始まったのだとか。

■“そのとき”をものにするための相応の準備

 
「いいときもあれば、悪いときもある――。 “そのとき”が来たとき、チャンスをものにするには、相応の準備をしているかどうか」。
 
これは最近、ドラフトで盛り上がっている高校球児をもつ友人の言葉です。
 
「認めらる、認められない、調子の良し悪しに関係なく、
毎日やるべきことを淡々とやっている者が、来たチャンスをしっかり掴むんだよ」。
 
 野球少年への母の言葉は、野球を事業に置き換えて考えてみると、 経営者ならば、何かしら感じることがあるかもしれません。
 
 チャンスをがっちりつかむW社長が、取材が決まってまずやったことは、 ご自身の見せ方をどうするのがベストか、第三者の意見を聞いたこと。 今回の場合は、専門家である私の意見を求めてくださいましたが、 すでにこの時点で、W社長は相応の事前準備をされていたことを察しました。
 
 ここでいう準備とは、いつ来るとわからない日にむけての 「想像」あるいは「妄想(!)」といってもいいかもしれません。
 
 何も動きがないときに、「自分が新聞に出るときは、事務所のここで写真を撮る」 「これの専門家だから、こんな雰囲気を出す」「出るときは、このジャケットとシャツを組み合わせる」「こんな意見をもっているから、ちょっと凛々しく出たい」などなど、 十分すぎるほどの具体的な「準備」をされていた様子です。
 
 後日、掲載紙を見せてくださいましたが、事業内容はもちろん、 その人柄と無骨な地元愛を感じさせる記事に仕上がっていました。 さらに、装いひとつ、表情ひとつ、コメントひとつーーその紙面を見て、 ご自身が気にすることのレベルが非常に高いことにも驚きました。
 
 掲載後には、その紙面を見た地元市長の秘書の方から連絡があったとのこと。 そして、翌月、市長自身が、W社長の事務所にいらっしゃることになったそうです。 この展開には、W社長も、もちろん私も驚きを隠せませんでした。
 
 何度かのチャンスは誰にでもある、と言われます。 ただ、気付くか、気付かないか、モノにするか、しないかは、その人次第。
 
 いつ来るともわからない、その日のための備えは重要です。
 
「突然、取材の依頼がきました」、その準備は大丈夫ですか?
 
 次は、あなたの番かもしれませんーー。
 

この記事の執筆者

yamakawa midori
山川碧子(やまかわ みどり)

株式会社プライムイメージ代表/AICI国際イメージコンサルタント。2006年からビジネスパーソンの印象管理・印象マネジメント®を中心にサポートしています。著書『4分5秒で話は決まる~ビジネス成功のための印象戦略』。お仕事のご依頼はこちらからお願いします。