■表情の良し悪しが印象を大きく左右
「表情がいい」「表情が良くない」という言い方は、日常会話でもよくします。コンサルティングのなかでも、表情の良し悪しは印象マネジメントをするうえで、重要なテーマであり、相手や時と場合によって、その人の印象を大きく左右します。
誰でも表情の良し悪しはあるのは当たり前ですが、人前に出る立場の人であれば、パブリックな場ではできるだけ良い表情でいる配慮もしているものです。
あるクライアント様は、ご本人は、いたって普通の表情でいるつもりでも、いつも不機嫌に見られてしまうため、口元や目元を意識的にどうすればよいか、そんなアドバイスをすることもあります。
顔の表情については、意識的にできること、できないこと、実際に難しいことなど、人それぞれ様々なことが出てきます。これまでも色々なパターンを経験してきたので、ある程度のことには相応の対応策がありますが、今、明確な解決策が見出せないことがあります。
対応策として、悩まされているのが……
「普通にしていても、にやけて見える顔」。
企業の不祥事があったときの謝罪会見でもトップがにやけていた、犯罪の被害者遺族の方の表情がにやにやしていたなど、今の時代、こんな感想がネットですぐ広がってしまいます。確かに、ちょっと気を抜いたとき、表情が緩んでしまうことはあるかもしれません。
ですが、ご当人の置かれた立場を考えると、精神的にも笑う余裕などないはずの人が、“笑っている”“にやっとしている”ように見えるという声が出ることがあります。こうした言い方をされる人というのは、顔のつくり自体、もしくは意図していない表情のクセによって、笑っているような表情に見えてしまう可能性が高いようです。
■「まじめに聞け!」「なにニヤニヤしてる!」と怒られた経験
不機嫌に見える人の対極の悩みですが、いつでも笑って見えるような表情、これを改善するのもなかなか難しいものです。ご本人はいたってまじめ、真剣な表情をしているつもり。でも、「なに、ニヤニヤしているんだ!」「まじめに聞け!」と言われてしまうーー。
みなさんの周りでもいらっしゃいませんか?
もし、学生時代、先生から「真剣に聞け!」と言われたり、「笑うな!」と怒られた経験があるならば・・・・・・少しこんな傾向があるのかもしれません。身近な例で考えると、注意をしても怒ってもにやけている、反省していないように見える部下も、このパターンの人がいるかもしれません。
重要なのは、まずはこの当人が、自分の顔や表情が、他人からは思いもよらないように見えているという、事実を知ることです。
人は成長するにつれて、他人から注意をされる機会が少なくなります。年齢やポジションが上がるほど、さらにその機会はなくなっていきます。
とくに見た目や外見、顔のつくりについては、ネガティブなことを他人から正面切って言われることは、常識的に考えると少ないはずです。
なぜか怒られる、なぜか人を不快にさせる、それが自分の表情、または表情のクセに問題があるのかもしれないーーと考えてみることも必要です。
この気付きがあれば、対応策はありますが、自覚がないことでの不利益が生まれることのリスクは想像以上に大きなものです。
万が一、自社の謝罪会見をするようなとき、
あなたはクレームがつく顔ではありませんか?
クレームのつく顔でないーーーと自信をもって言えますか?
この記事の執筆者
山川碧子(やまかわ みどり)
株式会社プライムイメージ代表/AICI国際イメージコンサルタント。2006年からビジネスパーソンの印象管理・印象マネジメント®を中心にサポートしています。著書『4分5秒で話は決まる~ビジネス成功のための印象戦略』。お仕事のご依頼はこちらからお願いします。