あなたは大丈夫?「依存症」と聞いたときの発想

COLUMN /

No.201_パターン2

■ネガティブワードから出てくる発想

 ここ数日、歴史的な事件で日本中が重い空気に包まれています。そんな時期ですが身近な人から聞いて考えた少し重めの話をしてみます。

 突然ですが、「依存症」「アルコール中毒」という言葉を聞いてどんなイメージがわきますか?

 いつも飲んでいる、お酒が手放せない、仕事をしない・・・・・・と、ネガティブなイメージが多くの人に浮かぶのではないでしょうか。

 どこかでお酒ばかり飲んでなまけている~という見方をしてしまうことは否定できず、私もこうした発想が出てしまいます。

 ですが、数日前、友人の話を聞いて・・・・・・考えを改めました。というよりも、自分の思い込みで、いかに話を創ってしまっているか、ということを。

 彼女の夫は、数年前のある時期、依存症と診断されたとは聞いていました。

 その彼は、長い間、大手企業で財務を担当、数年前にヘッドハンティングで上場準備の企業に転職。学生時代は、勉強も運動もできる男女問わず人気があっただろう、と想像できるような人。その一方で少年のまま大人になってしまった一面もありました。

 その彼が依存症と聞いたときは、驚きとともに、どこかで「しっかりしろ!」という思いと、「しょうがない」という何ともいえない思いが周りには広がったことも確かです。

 

■自分の思い込みで話を創っている!?

 依存症は「本人の強い意志がなければ治らないもの」なのは確かです。依存症になったという結果だけみて、強い意志を持てない人、と周りは決めつけてしまいがちです。

 それが大きな間違いであるということに、話しを聞くまでは気付きませんでした。

 詳細は控えますが、彼女によると、責任感が強いからこそ、飲まないわけにはいかなかったのだろう・・・・・・と。

 最初、聞いたときは「なぜ???」と、ただただ疑問ばかりが浮かびます。

 なぜならば、依存症は禁断症状が出ると、普通に生活することができません。周りからも仕事面で頼りにされ、社運をかけてやるべきことがある、そのためにも正常な自分を維持する必要があり、それがアルコールを飲まなければ維持できなかった、のです。

 飲んではいけないことは、誰よりもわかっているーーー。ダメだとわかっていても、普通でいるためには、飲むしかなかったーーーのではないか、と。

 そこまで仕事中心であることへの是非はありますが、働き盛りであれば気持ちがわかる、そんな人も少なくないのではないでしょうか。

 依存症と言われて、仕事もしない、なまけている、というイメージがパッと出てきてきてしまったのも事実。どこかがっかりしていた私は、その依存症への思い込みで自分勝手なストーリーに彼を当てはめてしまっていた

 ネガティブなワードに引っ張られ、本当の姿を見ようともしていなかった。。。

 自分の常識と思込みで判断して、それに当てはめて他者を判断するのは大変よろしくないーー。

 起こってしまったことの表面だけを見て、多面的に見ないことには、全く的外れなことにつながってしまう。。。自分自身の反省の意味も込めて強く思う、そんな話でした。


この記事の執筆者

yamakawa midori
山川碧子(やまかわ みどり)

株式会社プライムイメージ代表/AICI国際イメージコンサルタント。2006年からビジネスパーソンの印象管理・印象マネジメント®を中心にサポートしています。著書『4分5秒で話は決まる~ビジネス成功のための印象戦略』。お仕事のご依頼はこちらからお願いします。