■何が良くて、何がダメなのかーー?
「クールビズの服装は、今でも悩みます――」
2005年からスタートしたクールビズですが、実施期間はその年によって違い、2017年は5月1日~9月30日までとなっています。業界・職種を問わず、クールビズは定着しましたが、このビジネスでの“軽装”に悩む人は少なくありません。先日もある社長から、「何が良くて、何がダメなのか、よくわかりません」との声がありました。
本来、暑い時期に少しでも涼しく、快適に過ごせる服装、ということで、「スーツでなくても、ネクタイを締めなくても、この時期は良いですよ~」ということでした。とはいえ、ビジネスは相手があることなので、リーダー層にはある程度のガイドラインが必要です。
当初は、スーツの上着を脱いでネクタイをはずしただけ、休日のゴルフウエアのまま、という姿も多くいました。スタートから10年以上たちますが、スーツ慣れした人こそ、上下違った装いをすることに自信がもてず、苦手意識があるリーダーも少なくありません。やはり、新入社員や若手とはちょっと違う、リーダーとしてのクールビズのはずしてはいけないポイントを確認しましょう。 リーダーの気づかうべき、クールビズの基本を3つ をあげておきます。
■クールビズの基本 2017
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<ポイント1> いつでもジャケットは着られるように
実際はまだまだいらっしゃるようですが、リーダーであれば、スーツの上着を脱いで、ネクタイを取っただけの装いをクールビズと言ってはいけません。スーツは上下で着るものであり、ただでさえパンツのほうが傷みやすいはずです。真夏の汗をかく時期にパンツだけ着用頻度が高いと、パンツの傷みばかり進んでしまい、スーツ上下で着るときに違和感が出てしまいます。クールビズ用のジャケットとパンツは、スーツとは別に用意しましょう。
ジャケットは常に着用している必要はありませんが、いつでも着られる準備をしておくことはリーダーにとっては重要です。突然の来客やお客様への謝罪など、予定外のことが起こったときにも、シャツの上にジャケットを着るだけで、きちんと感が大きく違います。基本は、ブルー系のジャケット、グレーのパンツが応用がききます。
<ポイント2> 下着はVネックの袖なしを
クールビズが定着したことから、下着の機能性の高さは年々進化しています。防臭機能、速乾機能などを考えると、毎年買い替えるべきアイテムの第一は下着かもしれません。ヨーロッパと違い、高温多湿の日本の夏には下着の着用は必須です。下着を着ることで、汗でぴったり肌に張り付いたシャツ姿になることは防げます。
第一ボタンをはずしたシャツの襟元のVゾーンから、下着が見えていませんか? ブルーのシャツの襟元から白の下着が見えているという人・・・・・・結構、いらっしゃいます。下着の襟元の形が丸首では、どうしても見えてしまうことがあるので、下着は「Vネック」の「袖なし」を選びます。半袖の下着がシャツに透けるのも・・・・・・スマートではありません。
<ポイント3> ボタンダウンは万能ではない
クールビズ時期、ボタンダウン(襟先をボタンで留めるタイプのシャツ)の着用率がグンと高くなります。ボタンダウンのメリットとしては、ネクタイをしなくても襟元がくずれにくいこと、最近は豊富なデザインでおしゃれ度がアップした(ように見える)ものが、お手頃な価格で手に入りやすくなったことが理由でしょうか。
ですが、クールビズ=ボタンダウン、ではありません。そして、デザインやボタンの色や形が凝ったものであるほど、カジュアル度は高まります。リーダーであれば、クールビズスタイルでもきちんと感が求められるシーンはありますが、そんなときはボタンダウンシャツはNG。ネクタイをしなくても襟元がくずれない、襟の高さがあるデザインのシンプルなものがきちんと見えます。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
リーダーは、涼しさを求めるばかりではいけません。必要なときは、盛夏であっても「涼しさ」と「きちんと感」の両立が必要になります。
上記の3つは、どれも基本ばかりですが、あえてリーダーのクールビズのポイントとしてご紹介しておきます。 「涼しさ」と「きちんと感」の両立できていますか?夏の清潔感はここからです。
この記事の執筆者
山川碧子(やまかわ みどり)
株式会社プライムイメージ代表/AICI国際イメージコンサルタント。2006年からビジネスパーソンの印象管理・印象マネジメント®を中心にサポートしています。著書『4分5秒で話は決まる~ビジネス成功のための印象戦略』。お仕事のご依頼はこちらからお願いします。